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どうして YAPC を広島で開催できたのか

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daily community

YAPC::Hiroshima 2024 が終わってはや2ヶ月…お疲れさまでした。 現地にご参加いただいたみなさん、配信で見られたみなさん、ありがとうございました。

先日 Findy Engineer Lab さんから YAPC::Hiroshima 2024 の記事が公開されました。取材いただきありがとうございました。

なぜ、YAPCはこれほど愛されるカンファレンスになったのか。運営の裏側をHiroshima 2024スタッフたちに聞いた - Findy Engineer Lab

改めて広島開催について振り返っていきたいと思います。

自分はというと、コアスタッフとして会場や飲食周りの調整など、広島現地の業者との対応を中心に準備を進めておりました。 当日はオープニングを担当させてもらいまして、その後は会場周辺のプチトラブルの対応1などをしておりました。

私個人としては、自分が住む広島で YAPC が開催できたことを光栄に思います。 実はエンジニアを志すきっかけのひとつに YAPC::Asia Tokyo 2010 の 草とPerl というLTを見て、こんな心から技術を楽しんでいる大人たちの輪に自分も入りたい。そう思って勉強したりモノを作ったりしていたのでした。 自分がそんなコミュニティを少しでも支えることができたと思うと、勝手ながら感慨深く思います。

ただ広島には Perl を主軸とした技術コミュニティはなく、 JPA としても Perl コミュニティが根付いていない地域での開催は初めてとのことで、どのようにして広島で開催できたのか、気になる方もいるかもしれません。開催の経緯に触れていきたいと思います。

開催の経緯
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2023年の京都の準備と並行して、 JPA 内で2024年の YAPC 開催地の検討が進められていて、細かい議論はあったかと思いますが、広島開催が候補として挙がっていたようでした。その後 JPA から私に相談いただいた流れでした。

元々JPAの理事の xtetsuji さんや YAPC の配信周りを担当している godan さんとは Podcast を録り合う仲で、そこから「広島で開催どうかな?」とお声がけいただきました。 広島開催は大歓迎だったので、すぐに周囲の広島の技術コミュニティの方々を巻き込んで、キックオフしていきました。

それからは、まずは会場候補を洗い出して下見して…と、一般的なカンファレンス準備と変わらずだと思います。

広島で実現できた理由
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どうして広島で開催できたんだろう、と振り返ると「多種多様なみなさんの支援や協力があったから」という一言にまとまってしまいそうです。それだと面白くないので、具体的に挙げていこうと思います。

地域コミュニティの支援
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すごい広島 を中心とする、広島の技術コミュニティの方々に「 YAPC スタッフやらない?」とお誘いすると、何名も手を挙げていただいて、一緒にコアスタッフとして準備を進めました。

具体的にはコアスタッフや当日スタッフとしての参画、地域の技術イベントでの告知、コワーキングスペースや飲食店などのチラシ配布、ご当地スポンサーの誘致など、地域に関わるほとんど全てをやっていたと思います。

私以上に地域にコネクションのある方が率先して動いてくださってめちゃくちゃ助かりました。地域一丸となって盛り上げていくことができていたんじゃないかと思います。

コンベンションビューローの支援
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広島には 広島観光コンベンションビューローという公益財団法人があり、大規模カンファレンス開催時に、会場選定などの支援をお願いできます。

今回は400名規模の会場選定でご協力をお願いしました。 いくつか YAPC スタッフから会場候補を出して、各候補に対してフィードバックを受けつつ、下見の日程調整を取り次いでもらうなどスピーディに意思決定を支えていただきました。

今回は対象外でしたが、コンベンションビューローでは条件を満たすと補助金がいただけるなど、さらに手厚い支援が受けられます。 他の地域でも同様の団体があるかもしれません。地方開催を検討している主催者の方はぜひチェックしてみてください。

飲食業者の柔軟な対応
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広島市文化交流会館で懇親会を行いましたが、担当者の方に懇親会以外のお弁当などのリストをお伝えすると、いい感じに被らないようにメニューを調整してくださいました。 おかげさまで懇親会も大好評でした。

広報班による広島ご当地情報の発信
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広報担当の papix さんをはじめ、広島関連情報を手厚く発信することで、参加の障壁を下げていたと思います。 特に広島への行き方の記事が好評でした。飛行機で行こうと思ってたけど、記事を読んで新幹線に変えた、とか色々と反響が耳に入ってきました。 調べたらわかる情報ではあるものの、主催者から情報提供があると親切ですよね。

多くのスポンサーの支援
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過去最多のスポンサー数で、広島ご当地の企業様にも多く協賛いただきました。 さらにスポンサー主体で独自の企画を行って発信するなど、スポンサーも一緒になって YAPC を盛り上げる、そんな雰囲気が出ていてめちゃくちゃよかったです。

豪華なゲスト、スピーカーの登壇
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わざわざ広島に行ってまで話を聞きたい、そんなトークが詰まっていたと思います。

多くの著名な方に登壇いただきましたが、その中でも広島にゆかりのあるとほほさんに登壇いただけたのが、今回の広島開催を象徴していて印象的だったと思います。

「実在したんだ!」と X でも話題でしたね。

おわりに
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といった感じで、目に見えるところから全く見えないところまで、多くの方の支援と協力で YAPC::Hiroshima 2024 を開催することができました。 改めてありがとうございました。

もちろん100点満点ではなかったと思います。満足いかない点もあったと思います。 それでも参加された方、そしてこれからアーカイブを視聴する未来の技術者の方の人生を少しでもいい方向に刺激できたのなら、やってよかったなと思います。

次回は函館とのことです。今度は函館でお会いしましょう。


  1. 例えばスポンサーの荷物発送に必要な着払い伝票が足りず、レンタサイクルで営業所に駆け込んで束でもらうなどしてました。念入りに確認しとけという話ではあります。 ↩︎

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